基本政策大綱‐財政経済

 我が国の経済発展による豊かさを「保障とゆとりの社会構造」と理解するならば、それは経済政策として常に維持されなければならない。しかし、それが自動的に保障されることはなく、社会変動の中での均衡を図る絶ゆまざる努力が必要とされる。世界的視野で見るならば、先進諸国においても永久的な拡大再生産を指向するやうな産業構造は既に限界に達し、世界全てが先進諸国並みも経済発展を指向する連鎖の矛盾が露呈しつつあり、限られたエネルギーや自然環境などにも配慮したゆとりある安定的社会の実現を求める文明論的視点が必要である。
 少子高齢社会の我が国が安定成長による成熟化社会を目指すには、高度情報社会の中での産業構造の転換や豊かさの価値の転換が必要である。

一、基本的経済政策
 我が国の経済体制は自由主義経済を原則とする。その経済政策は社会的・政治的規制を最小限に抑へて市場経済メカニズムを機能的に働かせることにあるが、一方で、社会共同体にとつて均衡のとれた繁栄がなされるやう充分留意されねばならない。特に、グローバリズムといふ欺瞞に乗せられて我が国の富が安逸に外国や外国資本に収奪されがちな傾向にあることをしつかりと認識して、国民経済の防衛を行はなければならない。
二、基本的財政政策
 我が国は世界から経済大国と呼ばれながらも、その財政は昭和五十年より毎年赤字となり、その不足分を国債発行によつて補填して来たが、低成長時代の今日での税収の伸び悩みの中で今や国家予算歳入の約二分の一を国債に依存してゐるのが現状である。国や地方も巨額の赤字財政で破綻寸前であり、国債依存財政からの脱却が緊急の課題である。
 又、我が国は既に少子高齢社会に突入してゐる。社会保障制度、医療制度や公共事業の在り方を含めて行財政改革は徹底した歳入・歳出のバランスの上に再構築されねばならない。
三、基本的産業政策
 我が国の産業政策は、国際化に伴ふ諸外国に対する市場開放と国際協調に配慮することが必要であるが、決して悪しき政治的外圧に屈することなく、日本的資本主義の功罪を充分に研究把握し、長所は推進し短所は是正する指導によつて自律的に産業の活性化を図つていかねばならない。時代の変転の中で各種産業の消長もあるが、いづれにせよ技術開発がその生命線であり、又、社会資本の基礎と言ふべき土地の適性な運用のあり方も重要な問題である。企業の社会的責任も産業社会の重要な視点であり、中小企業を犠牲とする大企業一人勝ちの競争結果は是正されねばならない。又、国の基幹産業である農業の衰退は由々しきことであり、国際的農産物貿易の在り方を含めて再検討されねばならない。
 一、地球規模での環境問題への対応
 二、成熟型社会における新社会資本整備
 三、基本産業である農業・林業・漁業の抜本的改革
 四、産業構造・流通機構の改革と規制緩和の促進
 五、官・民・学による基礎技術研究の推進
 六、若年労働力不足への対応
 七、土地問題の適正な制度の確立
 八、資源・エネルギーの安定確保の推進
四、基本的通商政策
 我が国の驚異的な経済発展は、自由貿易体制があつたからこそ急速に可能になつたが、現在、世界的潮流としての二国間自由貿易にしろ、多国間自由貿易体制にしろ、改めて互恵公平な自由貿易とは何かが問はれなければならない。