基本政策大綱‐政治

 今日の我が国は、経済の繁栄によつて物質的には豊かな社会が形成されてゐる。国境なき経済の活性化は世界経済をより緊密なものとし、国際政治においても相互依存が強まり、経済大国としての我が国の役割が強く求められてゐる。しかし、世界有数の経済力を達成した我が国が真に調和のとれた安定した社会を創出するためには、戦後体制の見直しが必要不可欠であるが、未だ経済効率至上の戦後的価値観が、再考されるには至ってゐない。
 我々がめざす国家とは、外国の干渉を許さぬ自主独立の主権国家であり、皇室を中心とする自由で精神的な豊かさを有する活力ある高度文化国家である。それは経済の安定成長による経済的活力を維持しつつ成熟した社会の実現を図り、誇りある国家として国際社会における名誉ある立場を占めることである。
 翻つてみるに、我が国の政治制度(政体)の原則は、為政者は常に天皇の親任によつてその正統性を保証されるといふ国家統治原理にあるが、それは敗戦といふ国家の危機的状況の中でも若干の形式変容を伴ひながらも連綿として今日に至つてゐる。しかし、社会情況の大きな変化の中で時代にそぐはない国家機構の諸問題もある。従つて、政治制度・国家機構共々再検討されねばならない。その帰結としても現行占領憲法破棄(失効)が必要である。

一、議会政治
 我が国の現代における政治理念は、明治元年の五箇条の御誓文に発する。公論の重視、経綸の興隆、人材の登用、旧陋の打破、智識を世界に求めるこの五箇条の精神は、我が国体に基づく民意の尊重と独裁の否定であり、現代国家における権力分立による間接民主制代議政治、即ち議会政治と相通ずる理念である。我々は現代における政治制度(政体)として政党を構成主体とする議会制民主政治を採用し、この理念を現代社会の諸制度に適用する。しかし、現在の政党政治が国家や民族等の巨視的大政治を忘却し、自虐的現行占領憲法の精神的拘束下で自己の利権や保身にのみ汲々として国民の信頼を喪失してゐることの責任は重大である。政党たるものの在り方を確立し、国民の政治に対する信頼を今こそ回復せねばならない。
二、議院内閣制
 議会は国民によつて選任され、内閣は議会によつて信任される。それは国民が議会を、議会が内閣以下の行政権を統制するといふ過程を通じ、現実的な政治となる。その内閣は議員内閣制であり、内閣の責任は内閣総理大臣が負ひ、同一の政治的見解を有する政党内閣制であり、閣僚は内閣総理大臣の指揮下で担当任務を遂行する。内閣はその権限を天皇の親任の下に正統なものとする。首相公選制は採らない。又、官僚政治の悪弊を糺し、内閣総理大臣主導の政治が確立されねばならない。
三、立法制度
 議会は国民の意思を代表する機関であり、立法権・予算議決権・行政司法に対する統制権を持つ。
 我が国の議会制度は議会開設以来二院制であるが、今日の如く両院ともに政党勢力の議場と化すならば、二院制の意義が問はれることになる。二院制の持つ目的と役割は再検討されねばならないが、特に参議院は選挙を経ない議員の選出の仕方に改める必要がある。
 又、健全なる議会制度を成立させるためには、現在の利権、情実、政策不在を生み出す選挙制度は、国民の選良を選出するに適しいものではない。選挙はあくまで政党主体、政策主体で行はれ、民意の反映を尊重するものでなければならず、現行の選挙制度は再検討されねばならない。
四、行政制度
 先進国の中で、我が国ほど中央集権制を採つてゐる国は少ない。中央集権は必然的に国家組織の巨大化と硬直化を招く要因となる。従つて、中央政府は行政の持つ権限や許認可権、税財源を地方自治体に大幅に委譲し、行政機構の縮小と簡素化をもつて小さな政府を目指さねばならない。我々は、地方の持つ多様な特性としての習慣や価値が広い意味で活力の温床となる懐の深いものであり、地方の活性化は国家としての健全さを保障するものであると考へる。そのやうな意味での地方分権は進めるべきものであるが、国家としての統一性や国家意志が大前提であり、中央と地方の役割を見据ゑることが重要である。また、市町村合併などの行政区域の広域化は充分な検討を要する。